予約の電話で、スタッフが言った言葉
電話口でスタッフが、「予約してご来院いただいたほうが、お待たせしにくいですよ」と案内した。
ところが当日、急患が重なり、予約の患者様も予定より長く待つことになった。受付は何度も頭を下げた。
後日、「予約したのに、予約なしより待たされた」という書き込みが見つかった。
案内した側の、小さな後悔
スタッフは、悪意なく案内しただけです。その言葉が、書き込みで責められる材料になってしまう。
当日の混雑は誰にも読めなかった。それでも、「なぜ言ったのか」という思いが、頭から離れないかもしれません。
予約案内と実際のずれは、よく起きます
「予約すれば早い」という案内は、多くの医院で自然に使われています。だからこそ、書き込みでずれを指摘される悩みは、少なくありません。
患者様の側の言葉を見てみます。
案内した内容と、実際が違うと、何が起きるの?
先にお答えすると、待たされたこと以上に、「言われたことと違った」という不信感が強く残る声が見られます。
患者様は、何を感じていたのでしょうか。「クチコミ研究® 医療現場の本音100事例」から、声を引用します。
予約を勧める時に、受付のスタッフの方が「予約して来てもらったほうがあまりお待たせせずにご案内できると思います」といった感じのことを言っていました。
(患者の声より/「クチコミ研究® 医療現場の本音100事例」)
受付の言葉が、そのまま記憶されています。患者様は、案内を信じて予約したからこそ、結果とのずれに強く反応したのだと読み取れます。
それなのにいざ予約して行ったら、予約せずに行った時よりも長く待たされたので、納得いかなかったです。
(患者の声より/「クチコミ研究® 医療現場の本音100事例」)
「予約しなかったときより長く待たされた」という比較が、納得できなさの核心です。約束と実際のずれが、不満を大きくしています。
なので、受付後に番号を発行して、自分の番号の前に何人待っているかが一目見て分かるようにモニターに表示したら良いと思います。
(患者の声より/「クチコミ研究® 医療現場の本音100事例」)
こちらは、前向きな提案です。番号表示のような仕組みで見える化することを、患者様自身が望んでいます。
ここまで読んで気になる点があれば、それは相談のきっかけになります。
対応を求められるケースと、難しいケースは何が違うの?
予約案内のずれに関する書き込みをめぐる対応が検討できるかどうかは、掲載先の種類、書かれた事実の内容、時期、その後の経過などで分かれます。判断は各サイトや検索サービスが行います。
「うちはどちらか」は、一人では見分けにくいものです。相談の中で、一緒に確かめることができます。
複数の場所に書き込まれると、何が変わるの?
見つけやすさと、まとまり方が変わります。
地図サービス、口コミサイト、SNSなどに同じ趣旨の声が散らばると、予約案内のずれに関する書き込みは、一つ一つは小さくても、全体として大きな印象になることがあります。
どこにどれだけあるのかを、まず一覧にして把握することが、整理の第一歩になります。
どんな言い方なら、ずれが起きにくいの?
この声の範囲で言えば、断定するより、「混み具合によっては前後することがあります」と伝えるほうが、後のずれが生まれにくいと考えられます。
ただし、何を伝えるべきかは、医院の運営の仕方によって違うため、整理が必要です。
よくあるケース:案内のずれが書き込みになる4つの形
電話での案内が、後の混雑を想定していなかったケース
その時点では正しい案内でも、結果とずれることがあります。
予約患者と当日患者の区別が、待合室で見えなかったケース
順番が不公平に見えてしまいます。
先生が「待たせて当たり前」の態度だったと受け取られたケース
謝罪の軽さが、印象を悪くします。
ホームページの案内と実際が違ったケース
掲げた言葉が、基準になって比べられます。
当てはまるものがあれば、相談の対象になります。
- 案内の言葉と実際のずれへの書き込みが出ている
- スタッフに、案内のしかたをどう伝えるか迷っている
- ホームページの表現と実際の運用を、整理し直したい
ご相談で、実際に多く伺う流れ
これまで多くの医療機関のお話を伺ってきた中から、共通する流れを一般化してお伝えします。
相談前は、「スタッフの案内が原因で書かれ、誰を責めればいいか分からない」という声が多く聞かれます。一件ずつは小さく見える書き込みが、いくつかの場所に重なって残っていることもあります。相談では、掲載先ごとの状況を一覧にして、優先して考えるものを一緒に決めていきます。
「やみくもに見返すのをやめられた」という方もいらっしゃいます。
相談から先は、こう進みます
- まず、いま困っていることをお話しください。まとまっていなくても構いません。
- 書き込みの場所や内容を、こちらで確認しながら整理します。
- 整理した内容をもとに、考えられる進め方を、複数お示しします。
- 進めるかどうかは、すべて聞いたあとで、ご自身で決められます。
相談の場で、次のことをお伝えできます。
- いま見えている情報の、全体の見取り図
- 対応を考えるときに、押さえておきたい論点
- 依頼するかどうかを決めるための判断材料
相談の前に、書類や資料を用意していただく必要はありません。話せる範囲のことから、お聞かせください。無料でご相談いただけますし、相談したから依頼しなければならない、ということもありません。
気がかりが残っているなら、それが相談を考える合図です。
患者様の言葉に向き合い続けるのは、誠実な先生ほど辛い作業です。しかも掲載先ごとに考え方が違い、何を優先すべきかも分かりにくくなります。
「院内でどう共有すればいいか分からない」「書き込みの全体像が見えていない」「話を聞いてから決めたい」。そんな状態でも、お話を伺えます。相談と依頼は、分けて考えられます。
電話口で案内していたスタッフの声を思い出したとき、一人で原因を探すか、誰かと整理するか。誰かと一緒に確認するという選び方も、あります。確認や手続きには時間がかかることがあります。

