医療機関を経営されている先生であれば、一度はGoogleの口コミを見て落ち込んだ経験があるのではないでしょうか。

クチコミ研究®

悪い口コミは「問題」ではなく「経営診断書」です

医療機関を経営されている先生であれば、一度はGoogleの口コミを見て落ち込んだ経験があるのではないでしょうか。

「こんなに一生懸命診療しているのに、なぜこんなことを書かれるのだろう。」

「事実とは違う。」

「どうして分かってもらえないのだろう。」

私もこれまで、多くの医療機関からそのようなご相談を受けてきました。

もちろん、事実と異なる口コミや悪意のある投稿も存在します。そのような場合には、法的な観点も踏まえながら適切に対応することが必要です。

しかし、その一方で私はいつも先生方にお伝えしていることがあります。

それは、「悪い口コミを問題として見るだけでは、本当の改善は始まりません」ということです。

私は、悪い口コミは経営診断書だと思っています。

患者様は医療技術を評価しているわけではありません

「説明不足だった。」

「受付の態度が冷たかった。」

「予約したのに一時間待った。」

「話を最後まで聞いてもらえなかった。」

これまで「クチコミ研究®」では、多くの患者様の声を分析してきました。

その中で気付いたことがあります。

患者様が不満を書いているように見えて、その本質は「医療技術」への評価ではないということです。

本当に評価されているのは、「安心できたか」「信頼できたか」という体験です。

つまり、口コミとは診療の採点ではありません。

信頼関係の採点なのです。

だからこそ、最新の設備を導入しても口コミは改善しないことがあります。

広告費を増やしても評価は変わらないことがあります。

患者様が求めているのは、高価な設備よりも、「自分の話を聞いてくれた」「きちんと説明してくれた」という安心だからです。

同じ口コミが繰り返される理由

医療機関によっては、「説明不足」「待ち時間」「受付対応」といった内容が何年も繰り返されることがあります。

これは偶然ではありません。

仕組みが変わっていないからです。

例えば、「説明不足」という口コミがあったとします。

そのとき、「次から説明をしっかりしてください」とスタッフへ伝えるだけでは、根本的な改善にはなりません。

なぜ説明が不足したのでしょうか。

予約が詰まりすぎていたのでしょうか。

説明する時間が確保できなかったのでしょうか。

患者様へお渡しする資料が不足していたのでしょうか。

あるいは、スタッフごとに説明内容が違っていたのでしょうか。

本当に見るべきなのは、人ではなく仕組みです。

私は、経営とは「問題を探すこと」ではなく、「問題が起きにくい仕組みをつくること」だと考えています。

悪い口コミは改善の入口です

悪い口コミを見ると、多くの方は「評価を下げられた」と感じます。

しかし、見方を変えると、それは患者様からの改善提案でもあります。

もちろん、言葉が強い投稿もあります。

感情的な表現もあります。

それでも、その背景には「もっとこうしてほしかった」という思いが隠れていることが少なくありません。

私は、患者様は医療機関を攻撃したいのではなく、自分が感じた不安や悲しさを伝えたいのだと思っています。

だからこそ、感情的な言葉だけを見るのではなく、「なぜこのように感じたのか」を考えることが重要です。

その視点を持つだけで、口コミは単なる評価から、経営改善のヒントへと変わります。

知らないことが、一番大きなリスクです

私は「知らないだけで損をする人を減らしたい」という想いで仕事をしています。

これは患者様だけではありません。

医療機関も同じです。

患者様が何に不安を感じているのか。

スタッフが何に困っているのか。

現場で同じ問題が繰り返されているのか。

これらを知らなければ、改善することはできません。

反対に、知ることができれば、改善は始まります。

そして改善を続けることで、患者様の安心が増えます。

安心が増えれば、信頼が育ちます。

信頼が育てば、結果として口コミも変わっていきます。

私は、この順番がとても大切だと思っています。

口コミを変えようとするのではありません。

信頼を積み重ねた結果として、口コミが変わるのです。

経営者にしかできない仕事があります

現場で患者様と接するのはスタッフです。

しかし、仕組みをつくることができるのは経営者だけです。

理念を決めること。

説明の基準を決めること。

教育の仕組みを整えること。

無理のない予約体制をつくること。

スタッフが安心して働ける環境を整えること。

これらはすべて経営者の仕事です。

だから私は、口コミ改善とは接遇研修だけでは終わらないと考えています。

本当に必要なのは、「患者様に安心を届けられる組織」をつくることです。

その組織は、一日ではできません。

しかし、毎日の小さな改善を積み重ねることで、少しずつ育っていきます。

最後に

私は、悪い口コミを恐れる必要はないと思っています。

本当に恐れるべきなのは、そこに書かれている患者様の声を見ようとしないことです。

口コミには、経営者が現場では気付きにくい課題が映し出されています。

それは時に耳の痛い内容かもしれません。

しかし、その一つひとつが、より安心される医療機関になるためのヒントでもあります。

医療は、人と人との信頼で成り立っています。

だからこそ、私たちは口コミを「消す対象」としてではなく、「学ぶ対象」として捉えたいと思っています。

患者様の声を知ること。

そこから改善を続けること。

そして、誠実な医療を積み重ねること。

その先に、患者様から信頼され、地域に選ばれ続ける医療機関の未来があると、私は信じています。

タイトルとURLをコピーしました