「悪い口コミがない医院」を目指すのではなく、「信頼される医院」を目指す
私は、医療機関の皆様に「悪い口コミをゼロにしましょう」とお伝えしたことはありません。
その理由は、とても現実的です。
どれだけ誠実に診療を行っていても、すべての患者様に同じように満足していただくことは難しいからです。
医療には限界があります。
患者様の価値観も、それぞれ異なります。
時には、十分な説明をしてもご理解いただけないこともありますし、医学的にできないことをお断りしなければならない場面もあります。
だからこそ、「悪い口コミをゼロにする」という目標は、現実的ではないと思っています。
しかし、「患者様から信頼される医院をつくる」という目標であれば、日々の積み重ねによって近づくことができます。
この違いは、とても大きいのです。
口コミだけを見ていると、一件一件の評価に心が揺さぶられてしまいます。
しかし、信頼を見るようになると、一つの口コミだけではなく、医院全体のあり方を見つめるようになります。
私は、その視点こそが経営には必要だと思っています。
評価ではなく、理念を基準に経営する
経営をしていると、どうしても数字が気になります。
口コミの星の数。
新患数。
売上。
検索順位。
どれも大切な指標です。
しかし、それらはあくまでも結果です。
結果だけを追いかけると、本来大切にすべきことを見失うことがあります。
例えば、口コミを恐れるあまり、必要な説明を避けてしまう。
患者様に嫌われたくないという思いから、本来お断りすべきことまで受け入れてしまう。
短期的には評価につながるかもしれません。
しかし、それでは持続可能な経営にはなりません。
私は、理念を基準に判断することが大切だと思っています。
「この判断は患者様のためになっているだろうか。」
「長期的な信頼につながるだろうか。」
「誠実な対応と言えるだろうか。」
その問いを持ち続けることで、迷ったときの判断軸がぶれなくなります。
そして、その積み重ねが医院の文化となり、患者様からの信頼となって返ってくるのです。
知ることから、すべては始まります
私は、「知らないだけで損をする人を減らしたい」という想いで仕事を続けています。
これは患者様だけではありません。
医療機関も同じです。
患者様が何を感じているのか。
どこで不安になっているのか。
何に安心を感じるのか。
それを知らなければ、改善することはできません。
だからこそ、「クチコミ研究®」では、実際の患者様の声を集めています。
そこには、耳の痛いご意見もあります。
しかし、その一つひとつが、より良い医療を実現するための貴重な学びでもあります。
知ることができれば、改善できます。
改善できれば、患者様の安心が増えます。
安心が増えれば、信頼が育ちます。
そして、その信頼は、良い口コミという形だけではなく、紹介、リピート、採用、地域での評判など、さまざまな形で医療機関の未来を支えてくれます。
私は、そのような好循環を一つでも多くの医療機関で実現したいと思っています。
悪い口コミが生まれにくい仕組みとは、決して特別な技術ではありません。
患者様を理解しようとする姿勢を持ち、働く人を大切にし、改善を続ける文化を育てることです。
その積み重ねが、患者様に安心を届け、スタッフに誇りを与え、地域社会から長く信頼される医療機関をつくっていくのだと、私は信じています。


